ftmピースケのピー多めの話

女→男になった或る三十路の絵日記

ホルモン注射①〜初体験は21歳の冬〜




もうすごーく前の話やからうろ覚えやけど初体験の話をする

ちなみにこのブログは管理人が適当やから知識的には浅〜いしあくまで個人的体験談として受け止めてほしい

あと俺の書く記録については全て女→男へ治療したパターンの話で、逆の男→女への治療とは異なるのでご承知おきいただきたい

ホルモン注射については検索すれば今はたくさんのftmが記録を残してくれてるから、正確な情報をお求めの方はググれ右



それは1X年前
俺が21歳で、確かクリスマスシーズンだった


田舎から車を走らせてやってきたのは婦人科のクリニック
生まれてこのかた婦人、レデースなどという場所に寄り付いたことは一度もなかったが今回ばかりは仕方ない
個人クリニックなのでこじんまりしていたが開院してまだ新しくて綺麗だった
待ち合いのソファにはあんまり人はいなくて空いてた
女の患者さんがいっぱいいて浮いたり変な目で見られたらどーしようっていう不安は杞憂で終わった

受付で初めてだと伝えると問診票を渡されて診察カードを作ってくれた
問診票は普通のやつで、来院理由の( )欄にホルモン注射って書いた

全然待つこともなく名前を呼ばれ、診察室へ入ると優しそうな男の先生がいた
ちょっと安心する俺

問診票を眺めながら簡単なやりとりをした
そして淡々とニコニコと「じゃあ250mg打つね」って言ってサクサクっと注射されて終わった


ホルモン注射は手術なんかに比べるとよっぽど手軽やけどその効果たるや素晴らしい
性別違和を抱えている当事者にとっては本当にありがたいモノ
最初の3本くらいはそこまで変化はないかもしれんけど1年も打つと声とかは全然違ってくる

しかしそれ故に引き返したい、辞めたいってなった時、後戻りはできん
男性ホルモンを注射して低くなった声とか濃くなった体毛は注射を辞めても一生そのまま
(体毛は少し薄くなるかもしれんけど声は戻らん)

だから正直、先生が淡々と注射してくれたから拍子抜けした
ホルモン注射を始めることに対してもっとガツガツ脅迫レベルでメリットデメリットを認識してるか確認されると思ってたから(笑)


初めてのホルモン注射は思ってたより痛くなかった気がする
ホルモン注射は皮下注射や静脈注射と違って筋肉に針を刺すので痛いとよく噂されていた
なにぶんビビりなもんでめっちゃ痛いのを想像してたから、思ったよりマシやんってなったんやと思われる
でも多分人によって場所によって薬剤によってはめっちゃ痛い!


筋肉注射は上腕かお尻がメジャーやけどお尻ってなんかまた痛そうなイメージがあったんで普通に左の上腕にしてもらった


打った後はよく揉んどいて〜って言われた
これは薬液をより拡散させ浸透させる為と、注射部位の硬結を防ぐためらしい(調べた)
しかし懸濁注射剤の場合同じ筋肉注射でも揉まない方がいいというのも読んだ
男性ホルモン注射の場合は油性注射液なので当てはまらない

揉む揉まない問題は医者によっても考え方が違うんで絶対揉まない方がいいって言われてない限り好きにしたらいいと思う

個人的経験では揉んだ方が後々注射部位が筋肉痛のように痛くなる現象(別の機会に書きます)がマシな気がする


ちなみに男性ホルモン注射の1回の投与量は125mg(mlとなってる病院もある)か250mgのどちらか
それを月1〜月2回死ぬまで

投与間隔には個人差がある
言われているのは
125なら1週間〜3週間に1回
250なら2週間〜1ヶ月に1回

体の中でホルモンを受け止められる容量が違うので血液検査をして自分に合った量や投与間隔を見つける必要がある
間隔が空きすぎるとホル切れになるし逆に短い間隔で打つと体に負担かかる
ちなみにこのバランスは年齢や生活環境によって変わってくるから定期的に血液検査して調整するのが望ましい

性別適合手術で子宮卵巣を摘出した場合、自分でホルモンを作り出すことができなくなるので一生注射は打ち続ける必要がある
やめてしまうと更年期障害等様々な弊害が生じる恐れがある

手術をしていないftmなら注射を辞めてもそういう問題はないけど、子宮卵巣がある限りftmにとって一番嫌な月一のイベントが戻ってくる

男の人が女性ホルモンを長期投与(1年とか)すると不妊になりその機能は完全に失われると言われるのに、女性の身体はなんて強いんやろう


なんだか堅苦しい文章になってるけど、ホルモン注射初体験、ついにやったったぜっ!って感じだった

今では10年以上打ってるけど、この頃は自分がホルモン注射をするとは思ってなかったし、予定もなかった

また続編で書くけど、自分で決断してやっといて言うのもなんだが予想外のホル注のスタートやった

なかなかこんなftmいてないんちゃうかな…


次はホルモン注射をするに至ったキッカケについて書いていきます!